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2023年欧州講演旅行 フランス編:デジタル有機合成レクチャーシップ賞

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2023年12月08日から12月15日、フランス・イギリスの計4大学へ講演旅行する機会を得ました。もうずいぶん時間がたってしまいました。。。潤さんが計画班で参画しているJSPS学術変革領域A デジタル有機合成 (代表:大嶋孝志教授, 九大)でレクチャーシップ賞を得ることができ、このような場を与えていただきました。まずは、本領域の大嶋教授、潤さん、そして関わった方すべてに御礼申し上げます。
人生に一度あるかないか、という機会で終始興奮しっぱなしでした。今回選んだフランス・イギリス、いずれも訪れたことのない地でした。
本領域HPでも先日出張レポートが公開されましたが、ここではもう少し幅広く書き連ねます。備忘録も兼ねて。

12月6日→12月7日 フランスへ

羽田23時ごろの便で渡航。予算の関係上安価なターキッシュエアラインズしか選択肢になかったためイスタンブール経由で計20時間弱の移動でした。出発が遅かったため、羽田国際線の航空会社ラウンジで夕食&シャワー(妻のお陰でSFC会員です)。この時間だったため、シャワーは120分待ちの案内が。ダメ元で予約したところ、ANAカレーを2杯食べながら待つこと70分でシャワー室に入れました。サッパリした状態で飛行機に乗り込み、揺られること13時間半でイスタンブール国際空港に到着。ターキッシュエアラインズは安価といってもサービスはよく、以前OMCOSで使ったAirCanadaよりいいと感じました。イスタンブール国際空港は全体的にキラキラしてました(語彙)。ここでも航空会社ラウンジでご飯を食べて(種類も多い、ケーキ&スイーツが20種類くらいある)ビールも飲み、満足した気持ちで飛行機へ。3時間半でシャルル・ド・ゴール空港につきそこから電車でホテルへ移動しました。しかし、ここで事件が。Gare de Noir駅で電車が停まる。駅の掲示板に真っ赤な字でフランス語の案内がでている。英語は出てこない。ホームの至る所にゲートが張られており、各ゲートにはガードマンが2人ずつ配置。「???」という状態。その辺の人に聞くもフランス語で返され何言ってんの状態。みんな困惑しつつも興奮状態で、ゲートにいる拳銃抱えたガードマンに100人以上が問い詰めている。いやいやこの電車乗らないとホテル着かないんですけど。
聞いて回ってみると数時間は電車が動く見込みが無いようで、巨大なGare du Noir駅を出てタクシーを拾うことに。予定より遅れること2時間、ホテルに到着。本当に疲れ切ってすぐ寝ました。

12月8日 Ecole Polytechnique訪問

ホストはBastien Nay教授。初めて会う先生でした。というのも次訪問予定のParis-Sacaly大学のBour准教授とコンタクトを取っていたところ紹介していただき、訪問が叶いました。Nay先生は天然物合成とバイオロジー研究を縦横に展開されている先生でした。ちょうど最近合成したcephalotaxus alkaloidに関する秀逸な総説を2012年に発表されており、大変助けになったことをお礼しました。Bastienにホテルまで迎えに来てもらい、Ecole Polytechniqueへ。軍事省管轄の理工大学としてフランスで最も難しい大学の一つだそう。入試に受かるためには特別準備学校(?)で二年勉強しないといけないらしく、大変な大学らしいです。著名な卒業生にフーリエ、ルシャトリエ、カルノー、クラペイロンといった物理化学の偉人がおり、さらにはカルロス・ゴーンも卒業生だと聞いたときは笑ってしまいました。
Bastienとディスカッションした後、ランチ。若手のSebastien Prevost博士に加え、大御所のSamir Zard教授も同席してくださり、もう大興奮。Samは日本にも友人が多く、話が弾みました。昼間から赤ワインを飲みました。欧州では普通とのことで、日本では大学でビールすら売っていないよ、と言うと大変驚かれました。一杯くらいなら飲んでも実験してしまうこともあるようで、日本人は酒弱いから飲んだら実験禁止だよ、と言うと、笑われ、こんな談笑をしながらあっという間に時間が過ぎました。その後、Yvan SIX教授、Sebastienとディスカッション。Yvanは難しそうな軌道論の話(少し眠くなってすみません)、SebastienはC-H官能基化の話をしてくれました。その後、ワインで少しポカポカした状態で講演しました。若干の英語講演の準備不足を感じつつ、たくさんの質問をいただき終了。及第点。最後、Samと1時間以上ディスカッションし、ザンテートをうまく用い、ラジカル反応の集積をすれば様々な不活性アルケンへの付加反応が簡単にできるんだという話を熱く語ってもらいました。大家と話せる折角の機会と思い、アルケンのラジカル二官能基化の際のジアステレオ選択性問題に関する解決はどう思いますか?と聞き、その答え(夢?)を語らうなど楽しい時間を過ごしました。僕ラジカルやってないですが、語るのは自由。楽しいひと時を胸にしつつ、しかし初日ということで写真の少なさを反省して週末を迎えます。

12月9日、12月10日 休日

雨。萎え。萎えていても仕方ないので、せっかくだし休日を使って外に出歩きました。
9日雨のエッフェル塔、雨の凱旋門、雨のシャンゼリゼ通り、雨のルーブル美術館。すべて雨。写真も全てどんより。あぁついていない。こっちの人は全然傘をささない。風も強く3回くらい傘が壊れそうになったので僕も傘を止め、ビチャビチャになりながら動き回りました。電車を使うよりも歩いたほうが面白いので、この日だけで35000歩歩きました。とはいえ、さすがに疲れたのでルーブルからは電車で移動しました。
その日の夕飯は、フランスで研究していらっしゃる安川さんに声をかけご一緒させてもらいました。Lilaneという人気なお店です。久しぶりにお会いしたこともあり、大津会議フェロー等々のお話や日本のポストやら今このラボ(国内外問わず)がこんな感じで、などなど本当にいろいろ話しました。研究室のブログもたくさん読んでくださっているようで。あっという間に22時くらいになってしまったので、お開き。楽しい時間をありがとうございました!
10日。曇り時々雨。もう雨には慣れました。傘ももたずこの日はお土産を買いに行きました。安川さんにボンマルシェという百貨店を教えてもらい、そこへ。昨日の疲れがあり、この日は電車。リーズナブルなものからお高いものまでたくさん揃っていました。店内の超強烈なフォアグラ臭に吐き気をもよおしたりしながら買い物し、手荷物いっぱい、店を後にしました。そこから近くにあったロダン美術館で考える人を見たり寄り道しつつホテルへ帰着。ホテルでスライドの調整や論文審査など仕事をし、翌日の訪問に備えました。

12月11日 パリサクレー大学訪問

雨もあがり、大学近くの駅でホストのChristophe Bour准教授に拾ってもらって大学へ向かいました。Chrsitopheはコロナ直前に早稲田で講演してもらったため、よく知った仲です。新宿で食べた焼肉が忘れられないと言っており、当時その店を選んだ自分たちを褒めてあげたくなりました。 駅から車で10分走らせるとアホみたいにでかい大学にたどり着きました。Paris-Saclay大学は今絶賛新築増設中で、何もかもが新しい。そこかしこで建設が進んでおり、大きな建物が5棟くらい建設中でした。いまは最寄りの寂れた駅からバスで10分という不便な環境ではあるものの、3年後には目に前に駅ができるそうです。化学の建物もきれいで大きく、エントランスはもはや空港のよう。1年ほど前に引っ越したそうで、70 m2ほどの実験室3つを10人ほどの学生で研究しているようです。学生の居室も立派。100 m2あったんじゃないか。Kaganが在籍し、キュリー夫妻も大きく関わった名門校だけあって、政府のお金の注ぎ方もなかなかよろしいようです。しかし、新築あるある、いろいろなところで不備が生じ、問い合わせては修理を繰り返しているようです。うちもそうでした。
ついてすぐ講演。週末のホテルでの準備もありだいぶ余裕をもってのぞめました。たくさん質問をいただき無事終了。そこからChristopheと彼の同僚Alixと大学近くの歴史あるレストランへ。パリサクレー大の周りは何もなく、辺鄙ではあるものの50年以上続いているレストラン。カジュアルな雰囲気でワインとお肉を楽しみました。試しにお肉の焼き加減は?と二人に聞いてみたら0.5秒でレアでしょ、と答えられました。さすがフランス。正直お肉はイマイチでしたが苦笑、美味しいワインと美味しいクレームブリュレに満足しました。Kagan先生の家の前を通ってゆっくりと大学へ戻り、そしてGuillaume Vincent教授とディスカッションしました。脱芳香族化を駆使したインドールアルカロイドの合成で最近多くの成果を出しており、Nature ChemやAngew掲載のきれいな合成のお仕事を紹介いただきました。いくつか気になる点があったので突っ込んだらやっぱりそう思う?やるべきだよなぁ、これ。とクリティカルな点だったそうで。話も盛り上がり、やや時間超過して次のChristopheとのお話へ。早稲田で講演していないユニークな対アニオンをもつルイス酸触媒のお話でした。ほほう、そんな対アニオンできるんだ、という不思議な反応性を示すものでした。マニアックだけどこういう独自の試薬とか分子をもつのはいいなぁと再認識し次のAlix准教授へ。だんだん疲れてきていてあまりいい受け答えができなかったのですが、ハロゲン結合を使ったマニアックな分子変換を紹介いただきました。最後三人で写真を取り、研究室見学させてもらいました。買ったばかりでまだ使っていないreact IRを紹介いただき、僕が使用経験者だと伝えると逆に、これはどうなんだ、いいのか?、こういうのは見えるのか?と質問攻めにあいました。今すぐほしいくらいよいです、ください。と正直に伝えました笑

フランスの生活で感じた雑多なこと

· 気候:東京より2度低いくらい。そんなに寒くない。雨が多かったです。冬は日照時間が短く、8:00くらいに明るくなりはじめ、16:00過ぎには暗くなり始めます。
· 電車Navigo Easyというカードをもつことをおすすめ。割と大きめの駅ならどこでも買えます。パリ市内の駅の窓口で頼んだら「わたし英語ダメなの」と言われながらも買えました。市内使用券(ticket+)を10回分つけるとお得。スマホでチャージできるのが最大の利点。僕みたいな慣れない観光客が多いため、駅の券売機は最悪20分くらい並びますが、このカードをもつとストレスレスです。ただし、注意点として、ticket+ではパリ市街には出られません。乗り越し精算という文化はなく、罰金対象だそうです。近くのフランス人に交渉して一緒にゲートを出るという荒業ができなくもないですが危険なので止めましょう。電車の時間などを確認する場合はBoujour RATPというアプリを入れると便利。当然時間通りに電車は来ませんが。このアプリでNavigo Easyにチャージできます。
· 英語:大体の場所で通じます。運が悪いと通じません。駅の電光掲示板や車内放送では英語はあまりありませんでした。
· 食事:やはりおいしいです。ちゃんとしたレストラン等であれば、食事に合うワインなどは店員がプライドをもって教えてくれます。というのもワインの種類が豊富すぎて精通していないとさっぱりなので助かりました。おすすめされて飲んだ赤ワインも白ワインも絶品でした。また、内装が狂ったラーメン屋があります。ルーブル美術館の近くにあるので、ついでに店の前まで行ってみたところ(食べてはいない)、30人くらい並んでいました(おいしくはないらしいです。)
· 治安:観光名所はどの国もそうですが、悪徳なお方は少なからずおります。個人的に行ったことのあるローマよりはマシ。空港からパリへの電車(RER B)内にはスリやら変なやつが複数人いるので注意。実際、観光客っぽい人にのみ慈善事業を装って、多言語で「よさそうなこと」が書いてある黄色い紙を配っている人がいました。多分、手に取っていたら金取られたんだろうなと思います。また、Gare du Noir駅周辺はやばそうだなあと感じました。それ以外は気になった点はありません。
· WhatsApp:インストールしておくといいかも。日本で言うLINE代わりに使っている人が多く、僕もこれで相手と連絡をとっていました。
· 携帯: 僕はAhamoだったので何も困りませんでした。特段困りはしなかったものの、Yahoo!が使えないことにびっくりしました。
· お金:円安の影響だけじゃなく、全体的に高く感じました。日当とか宿泊費制限ははみ出るのを覚悟しましょう。お土産の菓子類やワインは日本で買う値段よりだいぶ安いので、何を買っても喜んでもらえると思います。現地でワイン5000円のものがこっちで買うと9000円超えだとか。la measonのチョコも比較的安く買えます。支払いはカードのみで大丈夫。現金は一銭ももっていきませんでしたし必要な場面もありませんでした。
· ホテル:僕はパリ市内14区にホテルを取りましたが、閑静で住みよいところでした。大きな駅という理由だけでGare du Noir駅周辺に滞在するのは全くおすすめできないなと思いました。皆口を揃えて「あそこはCrazyだ」と言っていました。どこかしこで輩が叫んでいます。タクシーに乗ってすぐ、三人が叫びながら道の真ん中で揉み合って喧嘩しているところに遭遇しました。
· オリンピック:オリンピックムードは多少感じました。2024年ですもんね。どこでもパリオリンピック記念グッズが売ってました。
· トコジラミ:ニュースで騒がれていましたが、杞憂でした。一応ホテルのベッドにいないか確認はしましたがきれいでした。もうみんなほぼ気にしていないとのこと。

そんなこんなでフランスを訪問を終え、翌朝AM6時にホテルを後にしてシャルル・ド・ゴール空港からマンチェスターへ向かいました。使ったのはエールフランス (これか格安航空しか選択肢がない。格安航空は機内預けが有料なので逆に高価)。横に座った身体の大きい若いお姉ちゃんが香水たっぷりどっかり腕を広げて座ってきつかったですが、1時間ちょいのフライトなのでなんとかなりました。

イギリス編に続く

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趣味はラーメン、漫画、マラソン、自転車、野球、バレーボール。ものづくりの街、豊田市出身。車ではなく分子レベルでのものづくりを極め、非常識だが理想的な方法論で未踏分子を世に出すことを目指す。60歳になっても子供のように、化学でできるあんな未来こんな未来を語り、学生とともに実現に向けて一歩を踏み出せる研究者でいたいと考えている。

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