触媒的な脱芳香族的三成分アルキル化反応の開発

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Catalytic Three-component C–C Bond Forming Dearomatization of Bromoarenes with Malonates and Diazo Compounds
Kato, H.; Musha, I.; Komatsuda, M.; Muto, K.; Yamaguchi, J.
Chem. Sci. 2020, Accepted Manuscript
DOI 10.1039/D0SC02881A

パラジウム触媒を用いたブロモアレーン、ジアゾ化合物、マロナート類との脱芳香族的三成分アルキル化反応を開発した。これまでに知られる脱芳香族的官能基化反応では珍しく、本反応は芳香環の電子状態に依存せずベンゼン、ヘテロール、アジンなど多様なブロモアレーンを効率的に変換できる。本反応で得られる生成物は、還元やハロラクトン化などの一般的な有機反応を用いることで高位置・立体選択的に多置換脂環式化合物へと誘導できる、合成的有用性の実証にも成功した。

加藤3報目、武者は初論文、小松田6(?)報目。小松田くんが以前仕上げてくれたブロモアレーンとTMSジアゾメタン、アリルボラートとの脱芳香族的三成分連結アリル化反応(ACS Catal. 2019)の研究で浮き彫りになった「合成的有用性の実証」に重きを置きました。今回の研究ではアリルボラートに代わりマロナートを使うとブロモアレーンとジアゾ化合物との脱芳香族的アルキル化が進行することを見いだしました。加藤・武者を中心に小松田の助言を得て、今回の研究を遂行できました。本反応で得られる生成物は種々の変換によって位置・立体選択的に多置換脂環式化合物へ導くことができるとわかり、合成的有用性を示せたかと思います。つまり、二次元構造体の芳香族化合物をちゃんと多置換の脂環式化合物(三次元構造体)へ変換できるようになりました。ヘテロアレーンを含む様々なブロモアレーンが変換できることもわかり、「あとは反応機構ちゃんと調べて論文だそう」としていた中でのコロナ危機による大学閉鎖。反応機構など、色々断念しつつ急ピッチで仕上げて投稿したのが4月の頭。いくつかEditor kickを食らい、一度も審査されないままChemSciに投稿し、ようやく受理されました。コロナの影響かわかりませんが、ChemSciに投稿し、Associate Editorが決まるまでなぜか1ヶ月以上かかりました。「またeditor kickか」と不安を抱えて寝る日々を過ごして待つこと一ヶ月半、minor revisionとの回答をもらいました。Revisionもその日のうちに返答したものの、そこからなぜかまた2週間待たされることに。新型コロナに振り回されましたが、いい形に落ち着いて今は安心しています。おめでとう!!

武藤慶

スポットライトリサーチ動画

ベンゼンなどから三次元分子を合成:早稲田大学プレスリリース

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