逆の位置でオキセタンを開環する

Today:2views / Total:580views

Regioselective Ring Opening of Oxetanes Enabled by Zirconocene and Photoredox Catalysis
Aida, Kazuhiro.; Ota, Eisuke.; Yamaguchi, Junichiro.
Synlett, 2023, eFirst.
DOI:10.1055/s-0041-1738454

オキセタンは反応性の高い中間体として有機合成で汎用される。極性機構を経由するオキセタンの開環反応は広く研究されてきたが、開環後に炭素ラジカルを与える報告は少ない。今回、我々が独自に開発したジルコノセン/可視光レドックス協働触媒系がオキセタンを開環し炭素ラジカルを与えることを見いだした。C–O結合開裂の位置選択性はチタノセンと異なり、本反応ではより多置換のアルコールが得られる。

会田論文第二弾。昨年のSICC-11で発表した際に、Synlett Clusterのお誘いが来て準備した論文です。オキセタンの環歪みエネルギーはエポキシドと同程度なので、開環するとは予想していましたが、Chem論文と同条件で綺麗に開環してくれました。会田君は1-3月までSarpong研に短期留学しており実質3ヶ月でこの論文を仕上げました。彼はこれで卒業要件を満たし、あと1年間近く現在進行中のプロジェクトに全力投球できます。続報を楽しみにしていてください。おめでとう!!

太田 英介

ちなみに、SICC-11での発表後はArmido、Nicewicz、Leonori、Lloret-Fillol先生方とディスカッションでき光栄でした。Bauquet後の二次会もお話しさせて頂いたのは本当に良い思い出です(千葉先生ご馳走様でした)。千葉先生、ZHAO先生をはじめSICC-11関係者の皆様、招待講演の機会を頂いた大嶋先生にこの場を借りて感謝申し上げます。

ページ上部へ戻る