続・環を壊してフッ素をいれる

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Ring-Opening Fluorination of Isoxazoles
Komatsuda, M.; Ohki, H.; Kondo Jr., H.; Suto, A.; Yamaguchi, J.
Org. Lett. 2022, ASAP.
DOI: 10.1021/acs.orglett.2c01149

最近当研究室において、二環式アザアレーンの開環型フッ素化反応を報告した。この反応は主にピラゾロアジン類に求電子的フッ素化剤(Selectfluor®)を作用させることで、フッ素原子の導入、続くC3位の脱プロトン化により窒素–窒素結合を開裂、第三級フッ素化合物を与える。ここでピラゾロアジン類同様、分子内にヘテロ元素–ヘテロ元素結合をもつイソオキサゾールに着目した。イソオキサゾールは、各種ヘテロールや1,3-ジカルボニル化合物の生物学的等価体であることから、創薬化学において重要な分子骨格であり、多くの合成法が知られている。既に芳香族求電子置換反応によるフッ素化反応が報告されており[3]、C4位のフッ素化と続くC4位の脱プロトン化(再芳香族化)により4-フッ化イソオキサゾールを与える(図B上)。ここでC3位の脱プロトン化が進行すれば、開環型フッ素化反応が進行し、フッ素を導入しながらカルボニル化合物を合成できると考えた。

5-アリールイソオキサゾール類にフッ素化剤としてSelectfluor®を加え80 °Cで24時間攪拌することで、α-フッ化カルボニル化合物が得られることを見いだした。本反応は基質適用範囲が広く、ケトンやエステル、ハロゲンなど様々な官能基を芳香環上に有するイソオキサゾールをフッ素化できる。また、得られたフッ素化合物の誘導体化を試みた。ニトリルの還元や加溶媒分解、ケトンの還元、脱酸素的ジフルオロ化により様々な含フッ素骨格への変換に成功した。

 フッ素反応チームの第二弾論文です。小松田くん・大木くん・近藤くん・須藤さんの研究成果。環を壊してフッ素を入れるの続編です。前回は二環性アザアレーンに的を絞った反応開発でしたが、イソオキサゾールに展開しました。イソオキサゾールにすると、シアノケトンが得られます。ではシアノケトンをつくって求電子的なフッ素化ではダメなんでしょうか?と思われる方いるかもしれませんが、それでもいいと思います。原料の違いです。ただ、意外とシアノケトンのフッ素化って殆どありません。

最後にいくつか面白い反応を試したのですが、残念ながら反応が進行しないか、不安定で壊れる。みな卒業であったので、ここで一区切りとしようということで、原稿書いてサブミットしました。レビューワーにはほとんど何も言われず、スムーズに公開まで至りました。大木くんにとっては初めての論文になります。

フッ素チームと書きましたが、上述したとおり、みな卒業してしまったので(そういうわけで写真も2人のみです)、今年度からはチームひとりで大木くんが進めていきます。また面白い反応が見つかって何人かでできる研究テーマとしてくれることを期待してます。とりあえずおめでとう!

山口潤一郎

と思ったら、早速卒業生の須藤さんがお土産をもって遊びにきてくれました。おめでとう!

小松田くんも遊びにきてくれました!ありがとう!おめでとう!

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