チオエステルを硫黄源とするトシルヒドラゾンカップリング

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Pd-Catalyzed Alkenyl Thioether Synthesis from Thioesters and N-Tosylhydrazones
Ishitobi, K.; Muto, K.; Yamaguchi, J.
ACS Catal. 2019, ASAP.
DOI: 10.1021/acscatal.9b04212

今回、パラジウム触媒存在下チオエステルとN-トシルヒドラゾンとが反応し、アルケニルチオエーテルを合成できることを見出した。Pd触媒を用いればN-トシルヒドラゾンがアルケニル化剤となることはこれまでに知られていた。しかし、チオエーテルを硫黄源としてアルケニルチオエーテルを合成する際、望まぬS–H挿入が進行しアルキルスルフィドが得られることがわかった。今回、興味深いことに硫黄源にチオエステルを用いるとアルキルスルフィドの生成が抑制され、アルケニルスルフィドを選択的に得ることができることを見出した。高い官能基耐性をもつことがわかり、高反応性の臭化アレーン部位も損なうことなく、高化学選択的に反応が進行する。高反応性官能基をもつ医薬品分子の誘導化にも適用できた。

M2石飛の2報目!チオエステルの変換反応で、求核剤を変えてもらったときに見つけた反応。OやNはあるが、Sはなかった。還元体のアルキルスルフィドの合成は報告されていたが、アルケニルスルフィドの合成は今回がはじめてです。ニッチな反応ですが、しっかり石飛くんが実験してくれたおかげで、よい論文になりました。彼は修士で卒業してしまいますが、2報のファーストオーサーは立派です。しっかり研究者として企業でも活躍できることでしょう。

おめでとう!

山口潤一郎

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