脱酸素型のマルチアリールアルカン合成

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Unified Synthesis of Multiply Arylated Alkanes by Catalytic Deoxygenative Transformation of Diarylketones
Miki B. Kurosawa, Kenta Kato, Kei Muto and Junichiro Yamaguchi
Chem. Sci. 2022, Accepted Article
DOI: 10.1039/D2SC03720C

ジアリールケトンの脱酸素型変換反応を用いるマルチアリールアルカン合成法を開発した。ジアリールケトン類をジフェニルホスフィンオキシドとのホスファ-Brook転位と、生じるホスフィナート中間体のパラジウム触媒による還元、二量化、カップリングやFriedel–Clafts反応をワンポットで進行させることでジアリールメタン、テトラアリールエタン、トリアリールメタンが合成できた。さらに、アリールカルボン酸からジアリールメタンやテトラアリールエタンへのワンポット変換や、逐次カップリングによるテトラアリールメタンやトリフェニルエタンも合成できた。

脱酸素型反応の2報目。黒澤さん(BB)の第一著者2報目。脱カルボニル型反応を少し条件を変えるだけで、COでなく酸素が取れる脱酸素型反応ですが、カルボン酸誘導体から簡単に合成できるジアリールケトンに適用したら、5種類のマルチアリールアルカンを同じ原料からワンポットで合成できました。BBが反応の発見からまとめまで、ほぼ全部ひとりでやりました。

正直あるジャーナルに投稿してかなりいいところまでいったのですが、撃沈。Chem Sciはスムーズにアクセプトされました。

彼女は去年卒業した一色君並に、新反応発見への嗅覚がするどく、いまもかなり面白い反応を発見しています。しっかりディスカッションして、反応をしっかり精査して、やってみたい反応は自分で勝手にやってみる。基本的なところですが、意外とうちの研究室でもできるひとはほとんどいません。どうやら留学先の研究もうまくいったようで、留学から帰ってきたらまた全力で取り組んでくれるものと思います。研究への興味や、結果を出すためへの努力、成功したいという強い気持ちも含めていま研究室のエースです。おめでとう!

山口潤一郎

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