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SIOC留学記(Shu-Li You研究室)〜Part II〜

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前回のPart Iから大分時間が空いてしまいました。ごめんなさい。
嬉しいことに、前回のブログ(中国語訳)をみたYou研究室のメンバー何人かが連絡をくれました。SIOCは日本よりも早くラボが再開していて、日本の状況を心配する内容のメッセージをくれました。山口研から留学に行く人や日本に来ようとしている留学生などまだまだ先行きが不透明ですね。留学のスタイルなども変わっていくかもしれませんが、早く落ち着くことを願うばかりです。

今回は主に研究環境や生活環境について話したいと思います。

研究生活

ご存知の方も多いと思いますが、中国は年々科学技術に力を入れているため研究環境が素晴らしく整っていてSIOCはその最たる例だと思います。基本的に何不自由なく研究できますし、安全面や衛生面もとても厳しく管理されていました。部屋に人がいないと80°C以上の加熱反応は禁止されていたり水素添加反応のための建物があったり、ドラフトなどに不備があると全員実験を止めて建物から出されるということに驚きました。NMRがSIOC全体で確か30台弱あり、You研が使えるのは5台でした。試薬の購入システムや在庫管理もオンライン上で全てきちんと管理されており、購入したい試薬を入力しそれをスタッフが許可すると自動で発注がかかるシステムでした。実験に使う使い捨ての備品などはSIOC内の倉庫で一括管理されていたため、物がなくなって実験が滞ると言うことはなさそうでした。何より備品がとても安かったです。真空ラインが1台2万円ほどと言われた時は持ち帰ろうかと思いました。

研究室のシステムは、日本と似ていてPI一名に准教授や助教が数名います。海外の講演者を招いて講演会も頻繁にありましたし、SIOCのみでの研究発表会も何回か目撃しました。逆に国内の学会がほとんどないようで日本の学会のことを話したらとても羨ましがられました。日本からの留学生はとても少なく、同じタイミングにはいなかったと思います。インドやヨーロッパからの留学生はちらほら見かけました。
ミーティングについてはYou研では毎週、ラボの半数の研究発表と論文紹介、トピックリサーチがありました。みんなかなり積極的に(中国語で)発言していて最初はビビりましたが、徐々に発言することで段々とラボ内での市民権を得た気がします。笑 You先生は、忙しい時以外は一日に数回部屋を回っていろんな人に声をかけていました。Any progress?と尋ねられるのが良い意味でプレッシャーになって少しでも新しい結果を出してやろうと頑張りました。

生活環境

中国での生活で実は研究以上に不安なのが生活環境かもしれません。海外慣れしている人でも中国となるとよく分からなくて不安だと思います。僕自身がそうでした。食事が合わなかったら嫌(辛いものが苦手)とか現地での買い物がちゃんとできるのか(英語通じない?キャッシュレス?)などなど。ただ、結果から言うと保険と家とお金の確保さえしてあれば、その他日常生活は全く問題ありません。上海に限って言えば、今住んでいる新宿よりも快適だったかもしれません。上のうち保険とお金については日本で出発前に済ますことができます。お金に関しては、特に何もせず現金とクレジットカードを持って行きました。Alipayがタイミングよく外国人でも使えるようになったので、途中から現金は全く使いませんでした。
家ですが、SIOCでは博士課程/ポスドクの学生と留学生用の寮がキャンパス内にあります。修士課程の学生寮は、徒歩15分ほど離れた場所にあるようでした。上海は家賃相場がとても高いですが、この寮には約3万円/月で住むことができます。出発前に准教授の先生が手配してくれたおかげで、スムーズに入寮できました。
最上階の15階と言う最初だけテンションが上がる高層階で、ルームメイトはMorandi研でPh.D.を取った後、Dawei Ma先生の下でポスドクをやっているフランス人のBastien君でした。お互い部屋にあまりいなかったのでほとんど会う機会はありませんでしたが、洗濯機を自由に使わせてくれたり水回りを全て綺麗に掃除してくれたり彼には本当にお世話になりました。酔い潰れて帰った時に開放してくれた恩は忘れません。買い物は近くに24時間営業の巨大スーパーがあったので全く困りませんでした。寝具やその他日用品はここで全て揃えました。

さて一番大事な食生活についてですが、上海料理が中心でした。川魚や卵料理が多く味付けは塩味のみで淡白でした。SIOCには食堂が二種類あり、朝昼晩そこでたべれます。ただ、開始早々飽きてしまいラボの子が気を利かせて外食したりしていました。最後の方はなぜか逆に美味しく感じていたので舌が慣れたのでしょう。(日本に帰ってからしばらくはカップ麺が不味く感じました。)
一番の鬼門は火鍋でした。最初から辛いものが苦手と言っていたのに、みんなが辛くない火鍋を食べに行こうと言って何回か連れて行かれました。そうのうちの一つ「海底撈火鍋」は日本にも進出しているので気になる方は是非。全体的に食生活は満足でした。日本で食べる中華を想像しなければ普通に美味しいですし、その気になれば日本企業のお店やファストフードなども食べられるので結構満足でした。

最後に

ざっと書きましたが、ここには書ききれないくらいたくさんのいい経験をさせてもらいました。留学を快く受け入れてくださったShuLi You教授にこの場を借りて御礼申し上げます。また、You研の同じ部屋のメンバーには実験から普段の生活に至るまでとてもお世話になりました。最後に、留学を後押しし様々な助言やサポートいただいた潤さん、慶さん、英介さんありがとうございました。

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小松田雅晃

D3。驚異のリサーチ力を誇るラボGメン。

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