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三次元的なChemdrawが描きたい <お絵描きの技術Part1>

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複雑骨格であったり、奥行きであったり、構造を視覚的に伝えれる3Dモデルっていいですよね。三次元モデルの描き方は、ケムステにcosinさんの記事があったりします。ただ、ケムドロー(Chemdraw、構造式)のまま、3Dにしたい時ってありますよね?  そんな方に向けて今回は、Chemdrawで三次元構造式を描く方法を解説します。やることは単純で、

三次元情報が書き込まれたファイルを「.mol」ファイルとして保存して、Chemdrawで開く

と三次元構造式ができます。

私がよく使っているアプリケーションでのやり方を解説します。

Chem3D(一番手っ取り早い、有料だが、ChemDrawが使える人は大概使える権利がある。ただし、windowsでしか動かない。)

GaussView(計算をやってる人は多分使っている。有料。ChemDrawと同様に大学で契約しているかも)

Mercury(一部有料だが、お絵描きする分には無料バージョンで十分)

 

Chem3D編

1. ChemDrawでお絵かきをします。

2. Structure Perspectiveでぐりんと回して紙面から傾けます。大きな分子や複雑な分子の場合、傾けるだけでChem3Dでの描画が正確に。さらに傾けた状態で、上下に結合や原子を動かすとその情報が書き込まれるので、Chem3Dでの描画が楽になります。

3. 構造式をコピーして、Chem3Dにペーストします。

4. MM2計算で最適化します。この時、結合が絡まったり、水素が辺な方向に生えたりしたら、動かしたい原子を選択して、手のマークをクリックして水平移動モードに変更、Shiftを押しながらドラッグして(Shiftを押さないと分子全体が平行移動)、遠くに置く。その後もう一度MM2計算すると綺麗になります。

5. 「.mol」or「.cdx系」ファイルで保存。

 

GaussView編

GaussViewでお絵描き、もしくは、アウトプットファイル「.out」or「.log」を.molで保存。

<自前で計算する場合>

1. Chem3Dで「.gjf」or「.com」ファイルなどで保存。

2. Gaussianで開いて、Tools > Point Group > Enable Point Group Symmetry > Approximate Higher–Order Point Groups のSymmetrizeをクリックして対称性をあげる。より高い対称性が見つからない場合は Enable Point Group Symmetry > Tolerance のタブを引き下げる(移動を許す範囲を広げる)ことで、見つかるかもしれません。

3. 「.gjf」or「.com」ファイルなどで上書き保存。

4.  計算して、計算結果を「.out」or「.log」ファイルとして得る。

5.  「.out」or「.log」を.「.mol」で保存。

 

Mercury編

自分で解いたものや論文のSI、もしくはケンブリッジ結晶構造データベース(CCDC)から「.cif」や「.xyz」ファイルを「.mol」で保存。今回は、P-[6]ヘリセン·C6F6の「.cif」ファイルをCCDCからダウンロードしました(Phys. Chem. Chem. Phys. 2017, 19, 2900.)。

 

 

とにかく、どのアプリケーションでも、どの元ファイルでもいいので、構造の三次元情報をChemdrawと互換性のあるファイルにすればいいだけです。ただ、「.mol」ファイルをChemdrawで開いただけでは綺麗な構造式ではないので、細かい修正が必要になります(一番重要かも!)。

 

Chemdrawでの修正

1. 「.mol」ファイルを開く。

2. 結合情報が残っているので、全選択して右クリック、bond、singleのplainにする。芳香環を表すサークルは削除すると作業しやすいです。

3. 結合や色に凝ります。結合は分子を移動させたり、ファイルを保存することで自動でそれっぽいところに移動するので、単結合を描くモードで結合をクリックして望みの位置に動かします。芳香族性が高い環に乗せるだとか、分子の対称性に合わせるなど、一定のルールを決めて統一するとかっこいいですね(揃っていないと二重結合が”バタバタしてる”とか”動いている”とか言われます)。

4. 見せたい角度を決めます。結合の重なりがいけてない時は、Send to Front (command + [ )かSend to Back(command + ] )。この時、ChemDrawが(三次元的な構造として覚えておくのめんどくさいなぁ)平面にしていい???って聞いてきますが、一からやり直すのがめんどくさいので、”Don’t Flatten”を押して無視しましょう。

5.  スケール(command + K)を合わせることで、綺麗なケムドローが完成!角度を変えるとスケールがズレるので再びスケーリング。

6. 「.cdx」で保存するといつでも使える。

 

 

 

素敵な三次元の構造式が描けるとテンションが上がりますね。お絵描きの技術Part2ではMercuryを使った三次元モデルの描き方の小技を紹介する予定です。もっといいお絵描きのし方や、ファイル形式などあればコメントで教えていただけると幸いです。

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加藤健太

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