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30年後の天然物合成研究

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 20481月。ついに筆者は69歳となった。あと1年で長かった研究生活も終わろうとしている。恩師である林雄二郎先生の「有機って面白いよね!」の言葉に魅了(翻弄)され,有機合成をはじめてから48年間,自身の研究室を立ち上げてから33年間研究を続けてきた。これまで数々の研究に携わったが,有機合成から完全に離れたことはなかった。研究スタイルは時代とともに変遷したが,根幹となる新しいものづくりを考えるのは今でも我々有機合成化学者だ。思えば研究をはじめたころは「分子モデルをつくるように簡単に作りたい」と意気込んでいた。その夢は現実にはならず,いまでも化学者は試行錯誤のうえ,新しい合成法や反応を日々開発し報告している…

(引用:30年後の天然物合成研究

先日有機合成化学協会誌に標記の題名と冒頭ではじまる記事を書かせていただきました。静岡県立大の菅先生による、毎年1回ある特集号です。今回は30名超の天然物化学関連の若手化学者が4ページで自分の化学を面白く紹介しています。有機合成化学協会誌は会員ならば読めるものですが、いつも開いてもいません!というひとにも今月号はおすすめです。

というわけでその特集号でいまから30年後の未来を予想して書いてみました。タイトルからみると少しセンシティブな内容に思えますが、全然そんなことなく、僕のいいたいことは、「楽しく・全力で目の前の化学に取り組もう。」ということです。後半は口調が少し激しくなりますが、自分に対しての鼓舞も含めています。ちなみに構造式は1つもありません。

なぜ、こんな記事を書いたのか?ということですが、3月に出版されたCSJカレントレビューにて、噛み砕いた自分の天然物合成に関する記事を書いてしまったので、同じ内容を書くのは憚れました。

マニアックなテクニック集や役立つ試薬類を書こうと思いましたが、同じ様な記事を準備する人いそうだ(至って皆真面目に執筆してあり、そんなひとはいませんでした)ということで、今回の話題にしました。最近AIやマシンラーニングに興味があり(化学ではなくて)、化学でも学内の先生と共同研究をはじめたのもその流れです。

SNSやメール、出会った人々に多くの好意的な意見をいただいき感謝しています。興味があればぜひ御覧ください。

なお、普通の有機化学の記事に関しても、編集委員でありいろいろな経緯から2月号4月号に総説を2つ執筆していますので合わせてお読みください。

 

 

最後に、冒頭の画像を探す(ライセンス無償)とそれを元に画像をつくるのが実は一番苦労しました。どうでも良い話ですが、これ学生の皆さんはわかるんですかね?つい最近までUSJにあったのでわかることを期待して。知っている方には懐かしい、「バックトゥーザフューチャー」に登場する車型タイムマシン「デロリアン」です。真ん中の緑が現在の時間、上がタイムマシンで飛びたい時間、下が前回訪れたの目的時間です。そう、現在の時間はこの協会誌の公開日に合わせました。タイムマシンで飛びたい時間は30年後の僕の誕生日、最後は?

冒頭に記載した菅さんの誕生日でした。

今回貴重な特集号に記事を投稿させていただける機会をいただきましてこの場を借りて感謝申し上げます。

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山口 潤一郎

山口 潤一郎

教授早稲田大学
趣味はラーメン、マラソン、ダイビング、ウェブサイト運営など。化学の「面白さ」と「可能性」を伝えるために、今後の「可能性」のある学生達に,難解な話でも最後には笑って、「化学って面白いよね!」といえる研究者を目指している。.化学ポータルサイトChem-Station代表兼任。
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